2026年10月13日

「年間休日105日」は少ないのか。求人票の休日表記で損をしない書き方

休日の内訳を表した色分けの表をペンで確認する経営者

求人票の「年間休日105日」という数字を見て、「少ない会社だ」と感じて閉じられてしまう。

休日は、求職者が最初に見る条件のひとつです。日数が他社より少ないと、読まれる前に外されることもあります。

結論から言うと、日数が少ないこと自体より、「何を休日として数えたか」が伝わっていないことのほうが、誤解を生みます。同じ105日でも、内訳の見せ方で印象は変わります。

この記事では、年間休日の数え方、「週休2日制」と「完全週休2日制」の違い、日数が少ない会社が誤解されずに伝える補足の書き方を整理します。

年間休日は、何を数えている数字か

「年間休日」は、一般に会社が年間で定めた休日の合計日数を指します。求人票では、この数字だけが目立つため、中身が見えにくくなります。

数え方で迷いやすいのは、次の項目です。

項目 一般的な扱い 求人票で確認したいこと
土日・定休日  → 会社の休日として数える  → 毎週か、月に何回か
祝日  → 会社が休日と定めていれば数える  → 祝日が休みか、出勤日か
夏季・冬季休暇、年末年始  → 会社の休日として定めていれば数える  → 日数と、休日に含めた数字か
年次有給休暇  → 会社が定める休日とは別で、通常は含めない  → 年間休日に含めていないか

ここでの要点は、年間休日に含めるのは「会社があらかじめ休みと定めた日」という点です。有給休暇は、労働者が取得日を選ぶもののため、通常は年間休日の数字に入れません。

数え方の細部は、就業規則や休日カレンダーの定め方で変わります。自社の就業規則と年間カレンダーの数字が一致しているかを、まず確認してください。

「105日」「120日」の見え方

年間休日は、日数によって求職者の受ける印象が変わりやすい項目です。以下はあくまで一般的な見方で、出典のある調査結果ではありませんが、整理するとこうなります。

年間休日 求職者の一般的な印象
120日前後  → 「しっかり休める」と受け取られやすい(週休2日+祝日に近い)
105日前後  → 「少なめ」と受け取られやすい
それ未満  → 理由が書かれていないと、不安を持たれやすい

105日という数字は、週の所定労働時間が40時間で、1日8時間働く場合に、年間の休日がおおむねこのあたりになるとされる、年間休日の下限の目安です(労働基準法32条の週40時間の上限が根拠で、計算の前提は、1日の所定労働時間や変形労働時間制の有無で変わります)。

105日を下回る場合は、所定労働時間や変形労働時間制の有無によって、週40時間の上限を超えていないか確認が必要です。印象の問題だけでなく、法令上の確認事項になります。

つまり、105日だから直ちに違法、ということではありません。ただし、求職者は120日前後の求人と並べて見ることがあります。数字だけが並ぶと、比較で不利になりやすい面があります。

休日に関する法律面の最低ライン(労働基準法に定める休日・労働時間の規定)は、業種や働き方によって適用が変わります。自社の定め方に不安があれば、社会保険労務士など専門家に確認することをおすすめします。

「週休2日制」と「完全週休2日制」は別物

休日の表記で、誤解されやすいのが、この2つです。

表記 一般的な意味
完全週休2日制  → 毎週、必ず2日の休みがある
週休2日制  → 月に1回以上、週2日休みの週がある(毎週2日とは限らない)

名前が似ていますが、意味は違います。「週休2日制」と書いてあるのに、実際は毎週2日休めない場合があります。

そのため、求職者が「毎週2日休める」と思って応募し、入社後に違いに気づく、というズレが起こりえます。このズレは、早期離職の一因になることがあります(求人票と実態のズレが招く問題は、いいことしか書かない求人票は、なぜ早期離職を招くのかでも扱っています)。

自社の実態に合わせて、次のように使い分けます。

  • 毎週2日休みなら → 「完全週休2日制(土・日)」
  • 月に何回か土曜出勤があるなら → 「週休2日制(隔週で土曜出勤あり)」など、回数まで書く
  • シフト制なら → 「シフト制、月8日以上の休み」のように、月の休日数を書く

制度の名前だけで済ませず、実際の運用を一文で添えることが、誤解を防ぎやすくなります。

日数が少なくても、誤解されない補足の書き方

年間休日が少ない会社でも、すべてが不利になるわけではありません。数字の背景を正直に示すことで、納得したうえで応募してもらいやすくなり、ミスマッチを減らす助けになります。ただし、補足を書いても日数そのものが不利に映る場合はあり、すべての誤解が解けるわけではありません。

補足に入れたい項目は、次の4つです。

  1. 内訳:土日・祝日・夏季冬季休暇・年末年始の別
  2. 休日の取り方の実態:繁忙期と閑散期での違い、連休の取りやすさ
  3. 有給休暇の実績:取得状況を、数字で(実績がある場合のみ)
  4. 日数を補う仕組み:振替休日、時間単位の有給、半休、記念日休暇など

 

書き方の例です。

年間休日○日(日曜・祝日・夏季3日・年末年始5日)。土曜は月2回出勤、繁忙期(3月・9月)は土曜出勤が増えます。その分、閑散期は平日に連休を取りやすく、昨年は全員が5連休以上を取得しました。有給休暇の取得は、年平均○日です。

 

※数字や取得実績は例です。日数は自社の休日カレンダーで算出し、実績は事実として言える範囲だけを書いてください。

ここでは、「少ない部分」と「その分の過ごし方」を、同じ場所に書くことが要点です。

注意したいのは、実態と違う数字や、取得実績を盛ることです。実績は、事実として言える範囲だけを書きます。

やってはいけない書き方

反対に、次の書き方は、トラブルや早期離職の一因になることがあります。

  • 「年間休日120日」と書くが、有給休暇を含めている:会社が定めた休日と、取得日が自由な有給休暇を混ぜると、数字の意味が変わってしまいます
  • 「週休2日」とだけ書いて、土曜出勤の回数を書かない:入社後のズレになります
  • 休日カレンダーの数字と、求人票の数字が一致しない:面接や契約書の段階で食い違い、信頼を失います
  • 「休日は相談に応じます」とだけ書く:不透明な印象を与えます

求人票に書いた内容は、入社後の労働条件と一致していることが前提です。労働条件の明示義務についての考え方は、求人票通りに人を雇えていますか?2024年法改正で厳格化された「労働条件明示」のズレで整理しています。

休日欄を見直す手順

最後に、自社の求人票を見直す手順をまとめます。

  1. 就業規則と年間休日カレンダーで、年間休日の日数を確認する
  2. 内訳(土日・祝日・夏季・冬季・年末年始)を書き出す
  3. 有給休暇が数字に混ざっていないか確認する
  4. 「週休2日制」か「完全週休2日制」か、実態に合う表記を選ぶ
  5. 日数が少ない場合は、内訳と休みの実態を、一文で補足する
  6. 求人票・面接での説明・契約書の3つで、数字が一致しているか確認する

給与や残業時間など、ほかの条件の書き方もあわせて見直したい場合は、次の記事も参考になります。

まとめ

  • 年間休日は、会社があらかじめ休みと定めた日の合計。有給休暇は通常含めない
  • 105日は、求職者に「少なめ」と見られやすいが、数字だけで判断されないよう内訳と実態を添える
  • 「週休2日制」と「完全週休2日制」は別物。制度名だけで済ませず、土曜出勤の回数などを書く
  • 日数が少ない場合は、内訳・休みの取り方・有給の実績・補う仕組みを同じ場所に書く(補足で解消しない場合もある)
  • 105日を下回る場合は、週40時間の上限を超えていないかを確認する
  • 求人票・面接・契約書で数字が一致していることが、信頼の土台になる
  • 法律面で不安があれば、社会保険労務士など専門家に確認する

休日の日数は、すぐには変えられません。でも、伝え方は今日から変えられます。数字の背景まで書いておくことで、納得したうえで応募してもらいやすくなります。


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