2026年8月10日
社長じゃなくてもいい。採用担当者が顔を出す効果
求人票の「応募に関するお問い合わせ」欄に、部署名と電話番号だけが並んでいる。候補者からすると、電話をかける相手が誰なのか、最後までわからないまま応募することになります。
「社長が発信しないと採用広報は始まらない」と思われがちですが、そうとは限りません。採用の窓口を担当している社員が顔と名前を出すだけでも、候補者が感じる不安は変わりやすくなります。
「誰に応募しているのか」が見えない不安
求人サイトや採用ページを見ていると、会社の説明や仕事内容は書いてあっても、「この応募を実際に受け取るのは誰か」が見えないケースもあります。
候補者からすると、応募ボタンを押す相手が「会社」という抽象的な存在のままです。次のような疑問が、応募をためらう理由になることがあります。
- 電話をかけたら、どんな人が出るのか
- 面接の前に、どんな人とやり取りすることになるのか
- 質問しても、ちゃんと答えてもらえるのか
これらは求人票の条件面には書けない情報です。だからこそ、担当者が見えるかどうかが、応募の心理的なハードルに影響することがあります。
社長発信・社員インタビューとの違い
採用広報というと「社長が思いを発信する」「社員インタビューを載せる」といった施策を思い浮かべるかもしれません。どちらも有効ですが、今回のテーマとは狙いが異なります。
社長の人柄発信は、経営の考え方や会社の価値観を伝えることが目的です。社員インタビューは、現場で働く社員のリアルな声を届けることが目的です。
これに対して、採用担当者の顔出しが伝えるのは「この応募を実際に受け取り、対応する人はこの人です」という窓口としての安心感です。業務スキルや実績ではなく、人柄と「連絡が取れる相手である」という実感を見せることに焦点があります。社長本人でなくても、パート・アルバイトの採用を担当している社員でも成立します。
顔出しで変わりやすいこと
① 「相談してよさそうだ」という印象につながりやすい
顔と名前のある担当者に対しては、匿名の問い合わせ窓口よりも質問や相談のハードルが下がりやすいと考えられます。応募前に電話やメールで確認したいことがある候補者にとって、相手の顔が見えているかどうかは小さくない差になり得ます。
② 応募後のやり取りへの不安が減りやすい
面接や連絡のやり取りをする相手があらかじめわかっていると、候補者が抱く「どんな対応をされるかわからない」という不安が和らぎやすくなります。転職活動に慣れていない候補者ほど、この効果を感じる可能性があります。
③ 会社の「対応してくれそうな空気」が伝わりやすい
担当者の写真と一言があるだけで、求人票全体の印象が硬い書類から人が関わっているものへと変わりやすくなります。これは応募数だけでなく、応募後の連絡率や選考への前向きさにも影響することがあります。
何を見せればいいか
派手な演出は必要ありません。以下の要素があれば十分に機能します。
- 顔写真——スマホで撮った自然な表情の写真で構いません
- 名前と役職——フルネームでなくても、下の名前や役職だけでも問題ありません
- 一言メッセージ——「入社後の質問はいつでも聞いてください」など、短い言葉で十分です
- 担当している業務の範囲——応募受付なのか、面接の実施者なのかがわかると、候補者は連絡内容を想像しやすくなります
社員インタビューのように長い文章を用意する必要はありません。むしろ、短く率直な情報のほうが、窓口としての安心感には向いています。
始め方のステップ
ステップ① 誰が窓口を担当しているかを整理する
応募受付・一次面接・条件確認など、候補者との接点を持つ役割を洗い出します。担当が複数人いる場合は、まず応募を最初に受け取る担当者から始めます。
ステップ② 本人の同意を取ったうえで写真と一言を用意する
顔出しは本人の意思を尊重することが前提です。抵抗がある場合は、無理に進めず、名前と一言メッセージだけから始めることもできます。
ステップ③ 求人票・採用ページ・応募後のメールに反映する
求人票の問い合わせ欄、採用ページの「よくある質問」の近く、応募受付後の自動返信メールなど、候補者が担当者を意識するタイミングに合わせて情報を出します。求人媒体ごとの掲載ルールについては、地方中小企業が使える採用チャネル5選もあわせて参考にしてください。
ステップ④ 担当者が変わったら更新する
異動や退職で担当が変わった場合、情報が古いままだと逆に不信感につながることがあります。定期的な見直しを仕組みに組み込んでおくと、更新漏れを防ぎやすくなります。
注意点
顔出しに強い抵抗がある社員に無理強いするのは避けたほうがよいでしょう。本人が納得していない状態で顔を出しても、表情や言葉に硬さが出やすく、かえって狙いと逆の印象を与えかねません。
また、担当者を前面に出す以上、実際の対応もそれに見合ったものである必要があります。顔は親しみやすいのに、問い合わせへの返信が遅い、といったギャップがあると、かえって印象を悪くする可能性があります。
まとめ
- 求人票の問い合わせ先が匿名のままだと、候補者は「誰に応募しているのか」を実感しにくい
- 顔出しは社長でなくても成立する。窓口を担当する社員が顔と名前を出すだけで応募の心理的ハードルが下がりやすい
- 社長発信は価値観の共感、社員インタビューは現場のリアルさが狙い。採用担当者の顔出しは「安心して連絡できる相手である」ことを伝える点で役割が異なる
- 顔写真・名前・一言メッセージ程度で十分。本人の同意を前提に、無理のない範囲から始める
採用担当者の見せ方や求人票への反映方法について気になることがあれば、お気軽にご相談ください。
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