2026年5月27日

面接で「候補者が本音を話してくれない」理由と対策——引き出す面接術

「面接をしても、相手のことがよくわからない」——こう感じている経営者・採用担当者は多いです。

候補者は面接前に回答を準備してきます。「長所は何ですか?」「転職理由は?」——これらの質問に対して、多くの候補者は当たり障りのない模範解答を用意しています。その答えを聞いているだけでは、実際の仕事ぶりや職場との相性は見えてきません。

候補者が本音を話さない理由

本音を引き出す前に、なぜ候補者が本音を話しにくいかを理解することが先です。

理由① 評価されることへの恐怖

面接は評価される場です。「失敗談を話したら落とされる」「本当の転職理由を言ったらマイナスに見られる」という恐怖から、候補者は自己防衛的になりやすいです。

理由② 「正解がある」と思い込んでいる

多くの候補者は面接に「正解」があると思っています。そのため、自分の経験や気持ちではなく「面接官が聞きたそうなこと」を話そうとします。

理由③ 場の空気が緊張している

面接官が威圧的な態度をとっていなくても、対面での評価場面は本質的に緊張を生みます。部屋の設定・座り方・最初の一言で、候補者の緊張度は大きく変わります。

本音を引き出す3つのアプローチ

① アイスブレイクに時間を使う

面接の最初3〜5分を、採用と無関係な会話に使います。「来るのに時間かかりましたか?」「今どのエリアに住んでるんですか?」といった軽い話題で場をほぐします。

「それで大丈夫なのか」と思うかもしれませんが、候補者がリラックスした状態でないと、その後の質問でも本音は出てきません。

② 「正解がない問い」を使う

「あなたの強みは何ですか?」は正解ありきの質問です。代わりに次のような問いを使います。

  • 「前の仕事で、一番しんどかった時期はいつですか?そのとき何を考えていましたか?」
  • 「逆に、仕事で”やっていてよかった”と感じた場面はどんなときでしたか?」
  • 「入社してみて”思っていたのと違った”と感じたことはありましたか?」

過去の具体的なエピソードを問うことで、準備した答えではなく実際の経験と感情が出てきやすくなります(面接の評価シートの作り方はこちら)。

③ 沈黙を怖がらない

面接官が沈黙を怖れると、すぐに次の質問をしてしまいます。しかし、候補者が考えている沈黙は「本音に近い言葉を探している時間」でもあります。

少し待ってみてください。候補者が補足する言葉や、つぶやくような言葉に、本音が含まれていることがあります。

聞いてはいけない質問に注意する

本音を引き出そうとするあまり、プライベートな領域(家族構成・婚姻歴・宗教・出身地など)に踏み込むことがあります。これらはハラスメントや差別につながるリスクがあり、採用の公平性を損ないます。

本音を引き出す質問は、あくまで「仕事・職場・キャリアに関する経験と気持ち」の範囲に留めることが大切です(面接NGな質問の一覧はこちら)。

「話しやすい面接官」を演じる必要はない

本音を引き出すために「優しい面接官」を演じる必要はありません。話を評価せずにただ聞く、うなずく、「それはどういうことですか?」と深掘りする——この3つが基本姿勢です。

相手の話を「採用するかどうか」という目線でなく、「この人のことをもっと知りたい」という姿勢で聞くと、自然と候補者の話は深くなります。

まとめ

  • 候補者が本音を話さないのは「評価への恐怖」「正解思考」「場の緊張」が原因
  • アイスブレイクに時間を使い、正解のない問いで具体的なエピソードを引き出す
  • 沈黙を怖れず待つことで、本音に近い言葉が出やすくなる

採用の成否は「誰と話したか」より「どう聞いたか」で決まることがあります。面接のやり方を少し変えるだけで、候補者理解の深さが変わってきます。


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