2026年5月14日
採用面接で何を聞けばいいかわからない——小さな会社の面接設計入門
「面接で何を聞けばいいのか、正直よくわからない」——採用支援をしていると、この本音をよく聞きます。
多くの場合、面接は「職歴の確認」と「志望動機を聞く」で終わっています。それで採否を決めようとすると、判断材料が履歴書と変わりません。
面接でしか得られない情報がある。それを引き出す設計になっているかどうかで、採用後の定着率が変わります。
1. 「スキル確認」だけで終わる面接の問題
小さな会社の面接でよくある流れはこうです。
1. 「今までどんな仕事をしてきましたか」
2. 「なぜ転職しようと思ったのですか」
3. 「弊社を志望した理由を教えてください」
4. 「何か質問はありますか」
これで1時間話したとしても、わかるのは「経歴」と「会社に対して好意的なことを言える人かどうか」だけです。
問題は、この流れでは「この会社で長く働いてくれるか」がまったく見えないことです。採用の本来の目的は、長く働いてくれる人を迎えることです。スキルが高くても3ヶ月で辞めた場合、採用コストは回収できません。
2. 地方中小企業が面接で見極めるべきこと
採用面接で「この人は優秀か」を測ることに集中してしまうと、小さな会社では本当に確認すべきことが後回しになります。
① この地域・この会社で働き続ける理由があるか
地方では、Uターン・Iターン転職者や、地元を離れたくない求職者が一定数います。「なぜ地元で働きたいのか」「転居の予定や可能性はあるか」は、最初に確認しておくべき点です。
② 小さな組織の働き方に合うか
業務の範囲が広く、自分で判断する場面が多い。マニュアルが整っていない。会社全体の人数が少ない。こうした環境に馴染めるかどうかは、本人の志向性と大きく関係します。
③ 前職での「辞め方」に一貫性があるか
離職理由は必ず聞きますが、大事なのは「理由の一貫性」です。前職・前々職での離職理由が自社への入社理由と矛盾していないか。「もっと成長できる環境を求めて退職した」が理由なのに「安定した環境でのんびり働きたい」と言っているなら、どちらが本音かを確認する必要があります。
3. 定着を見極める質問例
具体的な質問を紹介します。そのまま使ってもいいですが、会話の流れに合わせてアレンジしてください。
働き続ける理由を探る質問
- 「今回、なぜ地元(または当地域)での転職を選ばれましたか」
- 「5年後、どんな働き方をしていたいですか」
- 「転勤や勤務地の変更については、どうお考えですか」
組織への適性を探る質問
- 「今まで一番やりがいを感じた仕事は何ですか。その理由も教えてください」
- 「仕事で困ったとき、どうやって解決してきましたか」
- 「指示がない状況で、自分で判断して動いた経験はありますか」
前職との一貫性を確認する質問
- 「前の会社を離れた理由を、もう少し詳しく教えてもらえますか」
- 「逆に、前の職場で良かった点は何でしたか」
- 「当社を選んでいただいた理由のなかで、前職との違いとして感じている点はありますか」
質問の選択と同じくらい大切なのが、答えの「理由」を深掘りすることです。「なぜそう感じたのですか」「具体的にはどんな場面でしたか」と続けることで、表面的な答えでは見えなかった本音が出てきます。
4. 面接は「お互いに確認する場」として設計する
小さな会社の採用面接は、会社側が一方的に選ぶ場ではありません。求職者にとっても「この会社で働きたいかどうか」を判断する場です。
会社側から自社の働き方・文化・大変な点を正直に伝えることで、入社後のミスマッチが減ります。
- 繁忙期はいつか、どのくらいの残業があるか
- 社員同士の関係性はどんな感じか
- 仕事を覚えるまでのサポート体制はどうなっているか
こういった情報を隠さず伝えた上で「それでも来たい」と思ってくれる人が、長く続く採用につながります。
面接で伝える自社の強みの言語化については、「給料が低いから採れない」は本当か——給与以外で選ばれた会社の話も参考になります。面接前に求職者が会社をどう調べるかについては、採用ページがない会社のリスクをご覧ください。
まとめ
- 「職歴確認+志望動機」だけの面接では、定着するかどうかが見えない
- 地方中小企業が見極めるべきは「スキル」より「この会社で長く働く理由があるか」
- 「なぜ」を深掘りする質問が、表面的な答えの奥にある本音を引き出す
- 会社側も正直に情報を開示することで、入社後のミスマッチを防ぐ
採用面接は、採否を決める場である前に「お互いが判断する場」です。質問を設計するときは「この人は長く一緒に働けるか」を軸に置いてみてください。
面接設計、一緒に考えます
「何を聞けばいいか整理したい」「面接で判断できずに困っている」という方は、個別にご相談ください。
採用面接の質問設計から、採用基準の整理まで、地方中小企業の採用課題に伴走しています。
初回相談は無料です。現状をお聞きして、何から手をつけるべきかをお伝えします。