2026年5月18日

採用してもすぐ辞める——「定着しない会社」に共通する3つの習慣

採用がうまくいったと思ったら、3ヶ月で辞められた。

そんな経験を持つ経営者は少なくありません。問題は「採用の失敗」ではなく、「入社後の関わり方」にあることが多いです。

求人票を磨き、面接を工夫しても、入社後の環境が変わらなければ早期退職は繰り返されます。今回は、定着しない会社に共通して見られる3つの習慣と、その対策を整理します。

入社後3ヶ月が定着の分岐点になりやすい理由

一般に、新しく入社した人が職場に「ここでやっていける」と判断するのは、入社後3ヶ月以内といわれています。この時期に「仕事がわかってきた」「相談できる人がいる」「頑張りが伝わっている」と感じられた人は、定着しやすくなります。逆に、この時期に「放置されている」「何を期待されているかわからない」と感じると、転職先の検討が始まりやすくなります。

採用後のコストについてはこちらの記事で解説しています。ここでは「なぜ辞めるのか」「どうすれば定着するのか」に絞ります。

定着しない会社に共通する3つの習慣

習慣①:入社初日から「自分で覚えて」で任せきりにする

よく聞くのが、「最初から現場に入れて、仕事を覚えてもらった」という対応です。仕事を早く覚えさせたい気持ちはわかります。しかし、誰も教えてくれない・聞く相手がいないという状況は、新しく入った人にとって強いストレスになりやすいです。

定着しない会社では、こんなパターンが見られます。

  • 入社初日のあいさつは済ませたが、業務の説明は「見ながら覚えて」
  • 担当者が忙しくて、新人が声をかけるタイミングを見つけられない
  • 1週間後には「もう慣れたでしょ」という雰囲気になっている

最初の1週間は丁寧に関わるほど、その後の立ち上がりが早くなりやすいです。毎日5分でも「今日わからなかったことはある?」と聞くだけで、新人の安心感は変わりやすくなります。

習慣②:何を期待されているかが伝わっていない

「普通にやってくれればいい」という言葉は、新人にとって何も伝わっていない状態に近いです。

仕事に慣れていない人は、「自分は合格点を出せているのか」を気にしています。それが見えないまま1ヶ月が過ぎると、「ここでは自分の評価がわからない」という不安が積み重なりやすくなります。

改善の第一歩は、最初の段階で「最初の1ヶ月はこれをやってもらえればOK」という目安を伝えることです。完璧な評価制度がなくてもかまいません。「今月はこれができれば合格」という目線を共有するだけで、不安は大幅に和らぎやすくなります。

自社の採用基準や期待値が整理できていない場合は、採用のセルフ診断も参考にしてみてください。

習慣③:困ったときに話せる人がいない

「何かあれば声をかけて」と言っても、実際には話しかけにくい職場があります。経営者が忙しそう、周りの社員が殺気立っている、聞くと迷惑そうにされる——そういう空気の中では、新人は問題を一人で抱え込みやすくなります。

そして、限界になってから退職を告げる、というパターンが生まれやすくなります。

対策としては、特定の人を「最初の1ヶ月は気軽に話せる担当」として決めておくことが有効です。全員が親切にしなくてもよく、「この人だけは聞いていい」という一人がいるだけで安心感は変わりやすくなります。

辞めるサインに気づけているか

早期退職の多くは、突然ではありません。退職を決意する前に、こんな変化が見られることがあります。

  • 報告・相談が減る
  • 返事が短くなる、表情が暗くなる
  • 仕事の質やスピードが落ちる

この時期に声をかけられるかどうかが、定着・退職の分岐点になりやすいです。月に1〜2回、10分程度でも1対1で話す機会を作ることで、小さな違和感に気づきやすくなります。

経営者が直接対話するのが難しい場合は、先輩社員に任せる仕組みを作るのも一つの方法です。詳しくは人事専任者がいなくても採用を回す方法で解説しています。

今日から変えられること

難しい制度を整える必要はありません。定着率を上げるためにすぐ動けることは3つです。

  1. 入社初日・初週の関わり方を決める

担当者を決め、最初の1週間は毎日短時間でも声をかける習慣を作る。

  1. 最初の1ヶ月の期待値を言葉にして伝える

「最初の1ヶ月でこれができればOK」という目安を入社初日に共有する。

  1. 相談できる相手を1人決めておく

「この人に聞いていい」という担当を明示しておく。

どれも特別な費用はかかりません。でも、やるかやらないかで、入社後3ヶ月の定着率は変わりやすくなります。

まとめ

  • 定着しない会社に共通するのは「放置」「期待値の不明確さ」「相談できない環境」の3つ
  • 入社後3ヶ月が定着の鍵になりやすく、この時期の関わり方で結果が変わりやすい
  • 特別な制度は不要。「誰が関わるか」「何を期待するか」「誰に相談するか」を決めるだけで変わりやすい

採用から定着まで、一貫してサポートしてほしいという経営者の方はお気軽にご相談ください。


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