2026年5月22日

書類選考で何を見るか——採用ミスを減らす3つの判断ポイント

「応募が来たら、とりあえず全員に会ってみる」

専任の人事がいない中小企業では、こういう対応になりやすいです。応募数が少ないとそれでも回ることがありますが、面接に時間を取られる割に採用につながらないケースが続くと、経営者の負担がじわじわ重くなります。

書類選考に基準を設けておくと、面接の質が上がり、採用ミスが減りやすくなります。

「全員面接」のコストを考える

面接1回にかかる時間は、準備・当日・振り返りを合わせると1〜2時間以上になることがほとんどです。応募者が月10人いれば、それだけで10〜20時間が消える計算になります。

書類の段階で明らかにミスマッチな応募者を選別しておくことは、経営者の時間を守るためにも、応募者への誠実な対応のためにも意味があります。

採用の業務負担を減らす視点についてはこちらの記事でも解説しています。

書類選考で見る3つのポイント

書類選考の目的は「ふるいにかけること」ではなく、「面接で深掘りすべき人を選ぶこと」です。以下の3点を基準として使うと判断しやすくなります。

① 志望動機に具体性があるか

「御社に貢献したい」「成長できると思った」といった一般的な文章は、どの会社にも使えます。一方、「地元でこの仕事をしている会社が少なく、興味を持った」「求人票の〇〇という部分に共感した」など、自社を調べた上で書かれた内容が読み取れる場合は、入社意欲が高い可能性があります。

完璧な文章を求める必要はありません。「うちの会社のことを調べた形跡があるか」を見るだけで十分です。

② 職歴にミスマッチのリスクがないか

採用したいポジションと、これまでの職歴がかけ離れすぎていないかを確認します。全くの未経験が問題なのではなく、「なぜこの仕事に応募したのか」が書類から読み取れるかどうかです。

また、短期間での転職が複数回続いている場合は、面接で理由を確認する必要があります。書類の段階では「確認事項のフラグ」として記録しておくと、面接の準備がしやすくなります。

どんな人物像を採りたいかを事前に決めておくと、書類選考の基準が安定します。採用する人物像の決め方についてはこちらの記事(採用ペルソナ)を参考にしてください。

③ 書き方に丁寧さがあるか

誤字脱字が多い、空欄が目立つ、日付が記入されていない——こういった書類は「この仕事に対してどのくらい本気か」の参考になることがあります。

ただし、手書き・デジタルの違いや年齢によって書類のクオリティに差が出ることもあるため、これだけで判断するのは難しいです。他の2点と合わせて総合的に見てください。

書類選考で落とすべきでない状況もある

基準を設けつつも、以下の場合は慎重に判断してください。

  • 応募者が少ない地域・職種では、基準を厳しくしすぎると候補者がゼロになることがある
  • 書くことが苦手でも実務では優秀な人材がいる(特に現場系・技術系の職種)
  • 志望動機が薄くても、面接で話してみると印象が変わることがある

書類選考はあくまで「面接に呼ぶかどうか」の判断材料です。迷った場合は、面接に進めて確認する方が機会損失を減らしやすいです。

基準を社内で統一しておく

書類選考の基準が経営者の「その日の気分」で変わると、採用の再現性がなくなります。シンプルでいいので、チェックリスト形式で基準を書き出しておくことをおすすめします。

採用プロセス全体の管理についてはこちらの記事でも整理しています。書類選考を面接・内定へとつなげる流れを確認しておくと、選考の一貫性が保ちやすくなります。

採用基準の作り方や書類選考の進め方について気になることがあれば、お気軽にご相談ください


よくある質問

Q1. 書類選考の基準はどこまで厳しくすればいいですか? 応募数と採用難易度によって変わります。応募が少ない地域・職種では基準を厳しくしすぎると候補者がゼロになることがあります。「面接で確認できることは面接で」という姿勢で、書類では大きなミスマッチだけを見極めるのが現実的です。

Q2. 書類選考で落とした応募者にどう連絡すればいいですか? できるだけ早めに連絡することが丁寧な対応です。メールの場合は「選考の結果、今回はご縁がなかった」旨を簡潔に伝えます。応募者への返信スピードが採用の印象に影響することについてはこちらの記事でも解説しています。

Q3. 採用ペルソナを決めていないと書類選考は難しいですか? ペルソナが明確でないと「なんとなく良さそう」という感覚での判断になりやすく、基準がぶれます。採りたい人物像を先に決めておくことで、書類選考の判断が安定しやすくなります。

Q4. 書類選考なしで全員面接する方がいい場合はありますか? 応募数が月2〜3人程度の場合は、書類選考を省いて全員と会う方が機会損失を防げることがあります。応募数が増えてきたタイミングで基準を設けることを検討してください。

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