2026年5月24日

採用をやりっぱなしにしている会社が陥るループ——振り返りと改善の回し方

採用をやりっぱなしにしている会社が陥るループ——振り返りと改善の回し方

「また採れなかった」で終わっていませんか。

求人を出す→応募がない(または採れない)→また次の求人を出す。このループを何年も繰り返している中小企業は少なくありません。

毎回同じことをしているのに、結果だけが変わることを期待しているのは、採用に限らず成立しません。採用にも「振り返り」が必要です。しかし振り返りをルーティン化できている中小企業はまだ多くない印象があります。

この記事では、採用活動の振り返りをどう設計し、どう改善につなげるかを具体的に解説します。


なぜ振り返りが行われないのか

多くの中小企業では、採用担当が兼務です。経営者自身が面接して、総務が求人票を書いて、それで終わりというケースが多いです。

採用が終わると(採れても採れなくても)、次の業務が待っています。採用結果を振り返る時間はなく、次の求人が必要になったときに「また出す」という判断になりやすいです。

しかし振り返りをしないことで、コストが生じやすいです。

  • 応募が少なかった原因が「求人票の問題なのか」「媒体の選択の問題なのか」がわからないまま次に進む
  • 面接で「なんとなく合わなかった」で終わり、選考基準が属人的なままになる
  • 入社した人がすぐ辞めても「今の若い人は」で片付けられ、オンボーディングの問題が見えない

振り返りに必要な3つの視点

① 応募段階の振り返り

求人を出してから締め切るまでの間に、以下を確認します。

  • 応募数は目標に対してどうだったか
  • 応募者の属性(年齢・経験・居住地)は想定と一致していたか
  • 途中で辞退・無応答が多かったかどうか

応募が少なかった場合、原因は「媒体の問題」か「求人票の問題」かに分けられます。同じ媒体で似た条件の会社が採れているなら、求人票に問題がある可能性が高いです。

② 選考段階の振り返り

書類選考・面接の各段階で、以下を確認します。

  • どの段階でどのくらい脱落しているか(各段階の通過率:歩留まり率)
  • 自社からの辞退・お断りと、候補者側の辞退はどのくらいあったか
  • 辞退した候補者の理由を把握できているか

辞退理由を候補者に聞く企業は少ないですが、聞ける関係性であれば率直なフィードバックが得られやすいです。「他社との比較で待遇が劣った」「面接の雰囲気が合わなかった」など、次回改善に直結する情報が集まりやすくなります。

③ 入社後の振り返り

採用の成否は、入社後のパフォーマンスと定着で決まります。

  • 入社3ヶ月・6ヶ月時点での定着状況
  • 採用時に期待した能力・特性と実際のギャップ
  • 早期退職が起きた場合の根本原因

入社後に「こんなはずじゃなかった」が出てくるなら、求人票や面接での情報提供に問題がある可能性があります。(採用ミスのコストについてはこちら


振り返りを回すための仕組み

振り返りシートを用意する

口頭で「今回どうだった?」という会話で終わらせず、毎回同じ項目を記録するシートを用意します。

項目の例:

項目 記録内容
求人掲載期間 〇月〇日〜〇月〇日
媒体 ハローワーク / Indeed 等
応募数 ○名
書類通過数 ○名
面接実施数 ○名
内定数・採用数 ○名
候補者側の辞退数・理由
自社からの不採用数・理由
次回の改善点(3点以内)

シートに残すことで、前回との比較ができるようになります。

「改善点3つ」で終わらせる

振り返りで出てきた課題を全部直そうとすると動けなくなります。毎回「次にやること3つ」だけに絞り込みます。

たとえば:
1. 求人票の仕事内容に「1日の業務の流れ」を追記する
2. 面接前に会社紹介資料を渡す
3. 内定承諾後のフォロー連絡を翌日に設定する

これを次の採用まで実施し、また振り返る。このサイクルを小さく回し続けることが改善の積み重ねになります。


振り返りのタイミング

採用活動が終わった直後(入社前または入社後1ヶ月以内)に実施するのが最も鮮度が高いです。

時間が経つと「なぜそう判断したか」の記憶が薄れます。選考中に気になったことは都度メモしておくことで、振り返り時の精度が上がります。


まとめ

  • 振り返りなしの採用活動は「やりっぱなし」で同じ失敗を繰り返しやすい
  • 応募・選考・入社後の3段階で振り返る
  • 振り返りシートに記録し、前回との比較を可能にする
  • 改善点は3つに絞り、次の採用までに実施する

採用活動全体の改善についてはこちらの記事も参考にしてください。自社の採用プロセスのどこを改善すべきか相談したい方は、まずお気軽にご連絡ください

上部へスクロール