2026年5月25日

給与を上げなくても採用力は上げられる——コストをかけない採用改善の実践

「給与を上げれば人が来る」という考え方は、間違ってはいません。でも、地方の中小企業が都市の大企業と給与で勝負するのは、構造的に難しい。

そこで視点を変える必要があります。「給与以外の何で選んでもらうか」です。

実際に採用がうまくいっている地方の中小企業には、給与が特別高いわけではないのに応募が途切れない会社があります。そこに何があるかを整理します。

1. 給与だけで採用が決まらない理由

求職者が会社を選ぶとき、給与は重要な条件のひとつです。しかし、給与だけが判断材料ではありません。

多くの求職者は(特に地方では)「通勤距離」「職場の人間関係」「残業の多さ」「子育てとの両立」を給与と同じくらい、あるいはそれ以上に重視することがあります。

つまり、給与以外の条件を整えることで「この会社なら働いてみたい」という判断を引き出せる可能性があります(給与以外の強みの伝え方については、こちらの記事も参考にしてください)。

2. 給与を上げずに採用力を高めた実践例

① 勤務時間の柔軟性を見せた

「9時〜18時、土日祝休み」という表記を「コアタイム10〜15時のフレックス制、子どもの行事は有給を取りやすい文化」に変えた会社では、育児中の求職者からの応募が増えました。

制度の有無よりも「実際に使えるかどうか」の情報が刺さります。制度があっても「使えない文化」の会社は信頼されません。

② 職場環境を具体的に見せた

「アットホームな職場」という表現をやめ、「昼休みは全員で食事することが多いです。新入りも最初から輪に入りやすい雰囲気」と書き換えた会社は、見学を希望する候補者が増えたといいます。

曖昧な表現は信頼されません。具体的なエピソードや社員の言葉の方が読んだ人に響きやすいです。

③ 成長機会を示した

「入社3年以内にルート担当を任せられる可能性があります。実際に28歳でリーダーになった社員がいます」という情報を加えた結果、若い世代からの応募が増えた製造販売業があります。

「この会社で何ができるようになるか」が見えない会社は、特に20〜30代に敬遠されやすいです(採用ページへのキャリアパスの見せ方についてはこちら)。

3. 今日から始められる3つの改善

大掛かりなことは必要ありません。求人票や採用ページを少し変えるだけで反応が変わることがあります。

① 「実際に使えている制度」を1つ具体的に書く

有給取得率・育休取得実績・フレックス活用例など、数字や実例をひとつ加えるだけで「うちもこれできるかも」という感覚が生まれやすくなります。

② 「一緒に働く人」を紹介する

社員の年齢構成・在籍年数・前職の例(「前職は飲食業の方も活躍しています」など)を書くと、候補者が「自分がここで馴染めるか」をイメージしやすくなります。

③ チェックリストで自社を棚卸しする

「残業は月どれくらいか」「年間休日は何日か」「通勤に車は必要か」——こうした基本情報が求人票に書かれていない会社は意外と多いです。候補者が調べなくてもわかるように情報を整理するだけで、離脱を減らせることがあります(採用改善のチェックリストはこちら)。

まとめ

  • 給与だけで採用は決まらない。条件の組み合わせで判断されている
  • 勤務時間の柔軟性・職場環境の具体性・成長機会の可視化が採用力につながりやすい
  • 今日からできる改善は「実際に使える制度を1つ書く」「一緒に働く人を紹介する」「基本情報を整理する」の3つ

給与が全てではない。でも「給与以外の魅力」を伝えられていなければ、候補者には届きません。まずは自社の強みを言葉にするところから始めてみてください。


「自社の採用、何から変えればいいかわからない」という場合はお気軽にご相談ください

→ 関連記事: 給与以外で選ばれた会社の話 / 求人を出しても応募が来ない理由 / 採用改善セルフ診断

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