2026年5月24日

「新卒を育てる余裕がない」は本当か——地方中小企業が新卒採用を避ける4つの誤解

「新卒を育てる余裕がない」は本当か——地方中小企業が新卒採用を避ける4つの誤解

「新卒はうちには向かない。すぐ辞めるし、育てる時間がない」

地方の中小企業でよく聞くセリフです。即戦力を求めて中途採用に絞っているものの、なかなか採れない——という相談も多いです。

しかし「新卒採用を避ける理由」の多くは、誤解や思い込みからきているケースがあります。実際に新卒採用を続けている地方中小企業を見ると、「新卒の方がむしろ定着する」という声も少なくありません。

この記事では、新卒採用を避けがちな経営者が持ちやすい4つの誤解を取り上げます。


誤解①「新卒はすぐ辞める」

「3年で3割が辞める」という数字はよく語られますが(厚生労働省の調査に基づく概算として)、会社の規模・業種・地域によって実態は大きく異なります。

大企業と中小企業で比較すると、「仕事が多様で裁量が大きい」「先輩社員との距離が近い」という中小企業の特徴が、定着の要因になるケースもあります。

逆に言えば、「離職率が高い会社」には構造的な問題がある可能性が高く、それは中途採用を繰り返しても解決しません。(定着しない会社の構造的な問題についてはこちら


誤解②「教える時間がない」

新卒育成を「大量の時間を要する特別な業務」と考えている経営者は多いです。しかし実際には、日常の業務の中で教えていくOJTが中心であり、特別なプログラムがなくても機能しているケースは多いです。

むしろ「中途採用者に自社の文化ややり方を理解してもらう」コストは、案外小さくありません。前職の習慣が残っていると、指示に対して「前の職場ではこうしていた」という摩擦が生じやすくなります。

新卒は白紙からスタートする分、「自社のやり方に合わせやすい」という側面があります。


誤解③「新卒向けの待遇が整っていない」

「研修制度も寮もないから新卒は来ない」という声もありますが、新卒の就職活動において「待遇の充実」よりも重視されやすいのは「仕事内容・職場の雰囲気・成長できるか」といった要素です。

特に地方出身の学生の中には「地元に戻りたいが働ける会社がない」という悩みを持っている学生も一定数います。待遇より「地元に根づいた仕事」「顔が見える職場環境」を求めるケースもあります。

大手のような福利厚生がなくても、「何を経験できるか」「どんな人と働くか」が伝わる採用情報があれば選ばれやすくなります。


誤解④「新卒は即戦力にならない」

多くの場合、即戦力としての活躍は難しいです。しかし「即戦力を求めるなら中途」という選択が常に正しいとは限りません。

中途採用は「今すぐ戦力が欲しい」という場合に有効ですが、3〜5年後の自社の人員構成を考えると、新卒採用による人材育成を続けている会社の方が、組織として安定しやすいケースもあります。

新卒と中途を目的別に使い分けることが、採用戦略として理にかなっています。(中途採用と新卒採用の違いについてはこちら


新卒採用を「小さく試す」方法

いきなり複数名を採用する必要はありません。まず1名から試してみることで、「自社での新卒採用の現実」が見えてきます。

ハローワーク・マイナビ・地元大学への直接アプローチなど、費用を抑えて始める方法もあります。(高校生採用については こちら


まとめ

  • 「新卒はすぐ辞める」は平均値。自社の環境次第で定着率は変わりやすい
  • 日常のOJTが中心であれば、特別な研修プログラムがなくても機能しやすい
  • 待遇より「何を経験できるか」「どんな職場か」が伝わることの方が重要
  • 中途採用と使い分けながら、まず1名から試すことが現実的な一歩

採用戦略全体の見直しについて相談したい方は、まずお気軽にご連絡ください

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