2026年5月22日
パートが集まらないのは求人の作り方が原因かもしれない——正社員採用とは違うパート採用のコツ
「パートを募集しているのに、全然応募が来ない」
地方の中小企業からよく聞く悩みです。
こうした場合、正社員採用のやり方をそのままパートに使っていることが原因になっていることがあります。パート希望者が仕事を選ぶ基準は、正社員とは異なります。伝えるべき情報・見せ方を変えると、反応が変わりやすくなります。
パート希望者が仕事選びで重視すること
パートで働くことを希望している人の多くは、仕事に求めるものが正社員とは異なります。
特に気にしやすい傾向があるのは「時間」です。
「子どもの学校行事の日は休みたい」「扶養の範囲内で働きたい」「夕方17時には上がりたい」——こうした時間の制約や希望を持っている人が多いです。
正社員採用では勤務時間・休日などは「基本の情報」として書けば済みますが、パート採用では時間の融通がどこまで利くかを具体的に書くことが大切です。
「応相談」「シフト制」だけでは伝わりにくいことがあります。
次に気にしやすいのは「職場の雰囲気・人間関係」です。
パートで働く場合、正社員に比べて会社の将来性や昇給よりも「この職場で毎日働くことが苦にならないか」を優先する傾向があります。「スタッフ同士の仲がいいです」「ギスギスしていません」という情報が、選んでもらえるかどうかに影響しやすいです。
「通勤距離・アクセス」も大きな判断材料です。
正社員では多少遠くても通う人もいますが、パートの場合は「自転車で15分以内」「駅から徒歩で行ける」など、近さを優先する人が多いです。最寄り駅・バス停・駐車場の有無を具体的に書いておくと、近隣に住む人が「自分も行けるかも」と感じやすくなります。
パート求人票で書くべきこと・書き方
シフト・時間の書き方を変える
「週2日〜OK」「扶養内勤務可」「子育て中の方が多く活躍中」など、時間の融通がきくことを具体的に記載することが大切です。
悪い例: 「シフト制(要相談)」 良い例: 「週2日〜OK・1日4時間から。扶養内(月8万円以下)での勤務実績あり。子どもの行事などは事前申告でお休みできます」
「事前申告でお休みできる」「土日固定休みも相談可」など、スタッフが実際にとっている働き方を具体例として書くと伝わりやすくなります。
職場の雰囲気を伝える
スタッフの平均年齢・勤続年数・職場の人間関係を一言書くだけで印象が変わりやすくなります。
例:
- 「スタッフの平均勤続年数は5年以上。長く働きやすい職場です」
- 「20〜50代のスタッフが働いています。入社後は先輩がそばでサポートします」
- 「パート同士のおしゃべりが日課になっています(仕事の手は止めません)」
堅い表現より、実際の職場をイメージしやすい言葉の方が反応が出やすいです。写真が一枚あると、さらに印象が伝わりやすくなります。職場写真の活用についてはこちらの記事を参考にしてください。
「扶養」「社会保険」の情報を明確に書く
扶養内で働きたいと考えているパート希望者にとって、「社会保険の加入はどうなるのか」は大きな関心事です。
「年収106万円・130万円の壁に対応した調整ができることが多いです」など、扶養に関する情報を具体的に書いておくと安心してもらいやすくなります。なお、社会保険の適用条件は企業規模によって異なります。詳細はハローワークや社会保険労務士にご確認ください。
給与欄の書き方についてはこちらの記事(給与欄の書き方)でも詳しく解説しています。
パートの面接で確認すべきこと
パートの面接は、正社員の面接より短時間で終わることが多いです。しかし、確認すべきポイントを外すとミスマッチが起きやすくなります。
「働ける条件」を最初に確認する
希望の勤務日数・時間・お休みの取り方など、お互いの条件が合うかを最初に確認しておくと、後のすれ違いが減りやすくなります。
「週何日くらい来られますか?」「17時以降は難しいですか?」など、気軽に確認できる雰囲気を作ることが大切です。面接の場でうまく言えなかった希望が、入社後にトラブルになるケースがあります。
職場の雰囲気・仕事の流れをしっかり伝える
パートの場合、「この職場で馴染めるか」が応募者にとって大きな関心事です。面接で会社の説明に時間を使いすぎず、職場の雰囲気・一日の流れ・一緒に働くメンバーのことを伝える時間を取るとよいです。
可能であれば、面接後に職場を少し案内する「ミニ見学」を組み込むと、双方のミスマッチが減りやすくなります。職場見学の効果についてはこちらの記事でも紹介しています。
「続けやすさ」を伝える
パート希望者の中には「また辞めることになるのでは」「長く働けるか不安」と感じている人もいます。「うちのパートは平均○年以上働いています」「長く続けているスタッフが多いです」など、実際の定着実績をもとに一言伝えると安心してもらいやすくなります。
求人を出す媒体はパート向きを選ぶ
正社員採用と同じ媒体を使っていても、パート希望者に届きにくいことがあります。
パート採用に向いている媒体:
- ハローワーク:無料で掲載でき、近隣の求職者に届きやすいです。「扶養内OK」「週2日〜」などの条件で絞り込んで探す求職者も多いため、条件の詳細記載が重要です。
- Indeed:「パート」「アルバイト」「週2日」などのキーワードで検索する求職者が多い媒体です。無料掲載でも露出しやすいです。
- 地域の折込チラシ・ポスティング:近隣にアプローチしたい場合は、地域密着型のチラシも選択肢の一つです。通勤距離を重視するパート希望者への訴求として有効なことがあります。
- 店頭・施設の掲示:自社の店舗や建物の前に「パート募集」の案内を出すだけで、近所に住む人の目に触れやすくなります。コストゼロで始められる手段の一つです。
採用チャネルの比較についてはこちらの記事も参考にしてください。
まとめ
パートが集まらない場合、正社員採用の求人をそのまま流用していることが原因になりやすいです。
パート希望者が重視するのは:
- 時間の融通(週何日・何時まで・扶養内OK)
- 職場の雰囲気・人間関係(続けやすいか)
- 通勤距離・アクセス(自転車・駐車場の有無)
これらをわかりやすく書き、面接では「働ける条件を確認する時間」を設けるだけで、反応が変わりやすくなります。
採用の見直し全体についてお気軽にご相談ください。
よくある質問
Q1. ハローワークにパートの求人を出す場合、正社員と違う点はありますか? 基本的な手続きは同じですが、パートの求人では「週の所定労働日数」「1日の所定労働時間」「社会保険の加入条件」などを詳細に記入する欄があります。扶養内希望者が多い場合は、条件の詳細を丁寧に書いておくと的確な求職者に届きやすくなります。
Q2. パートの面接はどのくらいの時間が目安ですか? 15〜30分程度が多いです。ただし、短すぎると条件確認や職場説明が不十分になりやすいです。「働ける条件の確認→仕事内容の説明→質疑応答」の3段階を意識すると、30分程度で必要な確認ができやすくなります。
Q3. 扶養内勤務の希望に合わせると、シフト管理が複雑になりませんか? 月の勤務状況を共有しながら、残り何時間働けるかをスタッフが把握できる仕組みを作ると管理しやすくなります。無料のシフト管理ツールも多く、手書きの管理から移行するだけでスタッフとのやりとりが減ることがあります。
Q4. パート採用で一番多い応募経路はどれですか? 地域や業種によって異なりますが、地方の中小企業ではハローワーク経由の応募が多くなりやすいです。ハローワークに詳細な条件を記載しておくと、的確な応募につながりやすくなります。Indeedの無料掲載も合わせて活用すると、露出が増えやすくなります。