2026年5月22日
フルタイムにこだわらない採用——副業・業務委託で専門スキルを確保する方法
「採用担当を置きたいけど、専任で雇う余裕はない」
「マーケティングや広報に詳しい人が欲しいけど、正社員では採れない」
こういった悩みを持つ経営者は少なくありません。専門スキルを持つ人材を正社員として雇うのが難しい場合でも、「副業・業務委託」という形で力を借りることができます。
副業・業務委託とは
副業人材とは、本業を別に持ちながら、週1〜2日や月数時間単位で仕事を受ける人のことです。近年、大企業の社員が副業を解禁されるケースが増えており、豊富な経験を持ちながら副業で中小企業を手伝いたいという人が増えています。
業務委託とは、特定の業務を外部の個人・会社に依頼する契約形態です。雇用契約ではないため、社会保険・残業代・有給休暇などの義務がなく、成果物や業務の範囲を明確にして依頼するのが一般的です。
どちらも「専任を雇わずに専門スキルを確保できる」という点で、人事担当がいない中小企業との相性が高い方法です。
向いている業務・向いていない業務
向いている業務
- 採用・人事補助:求人票の改善、面接の設計、採用フローの整備
- マーケティング・SNS運用:ブログ・SNS発信の企画・実行
- 経理・財務の補助:月次の帳簿整理、決算補助
- Webサイト・デザイン:採用ページの作成・改善
- 営業支援:新規顧客開拓の補助、提案資料の作成
これらは「成果物や業務範囲が明確にしやすい」ため、業務委託になじみやすい業務です。
向いていない業務
- 日常の現場オペレーション(毎日の出勤が必要なもの)
- 社内の機密情報・顧客情報を常時扱う業務
- チームのマネジメント・意思決定が必要な業務
副業・業務委託は「特定の専門業務を切り出して依頼する」方法です。「なんでもやってもらえる人を1人入れたい」という場合は、正社員採用の方が現実的なことが多いです。
採用業務の負担を減らす全体的な考え方についてはこちらの記事も参考にしてください。
コストの目安
副業・業務委託のコストは、スキルや業務量によって幅があります。おおまかな目安として参考にしてください。
| 業務 | 月額目安 |
| SNS運用・コンテンツ作成 | 3〜10万円程度 |
| 採用補助(求人票改善・面接設計) | 5〜15万円程度 |
| 経理補助 | 3〜8万円程度 |
| Webサイト改善・運用 | 5〜20万円程度 |
正社員を採用した場合の給与・社会保険・教育コストと比べると、特定業務に絞って依頼する副業・業務委託の方がコストを抑えやすいケースがあります。
契約上の注意点
業務委託契約を結ぶ際には、以下の点を明確にしておくと安心です。
業務範囲を具体的に書く 「採用業務全般」ではなく、「求人票の作成・月1回の面接設計レビュー・採用ツールの整備」のように具体的に定めます。
成果物・納期を明示する 「月2本のブログ記事を〇日までに納品」など、何をいつまでに提供してもらうかを明確にします。
機密保持(NDA)を締結する 会社の内部情報・採用情報を扱う業務では、機密保持契約を結んでおくことをおすすめします。
偽装請負にならないよう注意する 業務委託でありながら、実態として細かく指揮命令をする形になると「偽装請負」と判断されることがあります。契約形態と実態が一致していることを確認してください。不明な点は社労士・弁護士にご確認ください。
どこで探せるか
副業・業務委託で力を借りられる人材は、以下のようなサービスで探せることが多いです。
- クラウドソーシングサービス(クラウドワークス・ランサーズなど):デザイン・ライティング・Web系の業務に向いている
- 副業マッチングサービス(複業クラウドなど):採用・経営補助系の経験者と出会いやすい
- 知人・取引先からの紹介:信頼関係のある人を通じた紹介は、最もミスマッチが少なくなりやすい
社員紹介採用と同様、知人ネットワークからの紹介は業務委託でも有効です。リファラル採用の考え方についてはこちらの記事も参考にしてください。
採用の全体設計についてはこちらの記事も合わせてご覧ください。副業・業務委託は採用の一手段として組み合わせることで、全体のバランスが取りやすくなります。
副業・業務委託の活用について気になることがあれば、お気軽にご相談ください。
よくある質問
Q1. 業務委託と正社員採用はどう使い分ければいいですか? 毎日の現場オペレーションや社内の意思決定に関わる業務は正社員の方が向いています。専門スキルが必要な特定業務(SNS・採用補助・経理など)は業務委託の方がコストを抑えやすいケースがあります。
Q2. 業務委託で採用担当の仕事を任せることはできますか? 求人票の改善・面接設計・採用ツール整備といった業務は委託できます。ただし、最終的な採用判断・候補者との面接は経営者自身が行う形が一般的です。
Q3. 副業人材を探すのにおすすめの方法は何ですか? 知人・取引先からの紹介が最もミスマッチが少なくなりやすいです。クラウドソーシングや副業マッチングサービスも有効ですが、業務範囲と期待値を丁寧にすり合わせることが重要です。
Q4. 業務委託契約で気をつけることは何ですか? 業務範囲・成果物・納期を具体的に定めること、機密保持契約を締結すること、指揮命令の形にならないよう実態に気をつけることが重要です。不明な点は社労士・弁護士にご相談ください。