2026年8月27日

採用ページ、どこで見られなくなっているか数字で見たことありますか

採用ページのアクセス数なら、なんとなく把握している経営者は多いはずです。「先月は500人くらい見てくれた」というレベルの感覚値です。

しかし、その500人が採用ページのどこまで読んで、どこで離れていったかを数字で見たことはあるでしょうか。

「仕事内容までは読まれているが、募集要項の手前で離脱が集中している」「応募ボタンの直前でページを閉じる人が多い」——こうした具体的な離脱ポイントは、感覚では把握できません。GA4のような無料ツールを使えば、専門知識がなくても数字で確認できます。

アクセス数だけ見ていても、離脱の理由はわからない

採用ページのアクセス数は、あくまで「何人が入口をくぐったか」の数字です。応募数が伸びないとき、「そもそもアクセスが少ないのでは」という見方に寄りがちですが、実際にはアクセスは一定数あるのに、ページ内のどこかで離脱が起きているケースが少なくありません。

アクセス数だけを眺めていても、「ページのどこで」「なぜ」離れているのかは見えてきません。ページ全体を「入口」「本文」「応募直前」の3つの区間に分けて、それぞれの通過率を数字で確認することが、離脱ポイントを見極める第一歩になります。

GA4で確認できる3つの数字

専門的な分析ツールを新たに導入しなくても、多くの企業がすでに使っているGA4(Googleアナリティクス4)だけで、次の3つは確認できます。

① ページ別のアクセス数

採用ページが複数(トップ・職種別ページなど)ある場合、どのページに人が集まっているかをまず確認します。特定の職種ページだけアクセスが極端に少なければ、その職種の求人票や導線自体に問題がある可能性があります。

② スクロール到達率

GA4の「スクロール数」イベントを使うと、ページのどのあたりまで読まれているかが把握できます。90%スクロールしたユーザーの割合が極端に低ければ、ページの後半(募集要項や応募ボタン周辺)まで到達する前に離脱している人が多いことになります。

③ 平均エンゲージメント時間

ページに滞在していた時間の目安です。滞在時間が極端に短い場合、ページを開いた直後に「求めていた情報と違う」と判断されて離脱している可能性があります。逆に滞在時間は長いのに応募がない場合は、最後まで読んだうえで応募を見送られていることになり、原因の見立てが変わります。

実際の見方:3ステップ

ステップ①ページ別レポートで、どのページが見られているかを確認する

GA4の「エンゲージメント」→「ページとスクリーン」レポートを開き、採用ページごとの表示回数とユーザー数を並べます。まずは単純に、どのページに人が集まり、どのページが見られていないかを把握します。

ステップ②スクロール到達率で、途中離脱の位置を推測する

GA4の拡張計測は標準設定では90%スクロール到達時点で1回のみイベントが自動発火します。90%到達の割合が50%を切っているようであれば、ページの後半にたどり着く前に半数以上が離脱している計算になります。25%・50%・75%といった複数地点でより細かく計測したい場合は、Googleタグマネージャーでカスタムのスクロールトリガーを設定する必要があります。

自社の採用ページを実際に開き、どのあたりが「50%地点」「90%地点」にあたるかを目で確認してみてください。募集要項や応募ボタンが後半にある場合、そこにたどり着く前に離脱が起きている可能性が見えてきます。

ステップ③平均エンゲージメント時間と読了想定時間を比べる

自分でページを読み上げてみて、最後まで読むのにかかる時間を計ります。GA4上の平均エンゲージメント時間がその半分以下であれば、多くの人が最後まで読まずに離脱していると判断できます。

数字が示す傾向と、次に見るべき記事

3つの数字を組み合わせると、離脱パターンがいくつかの型に分かれて見えてきます。

  • 入口の時点でアクセスが少ない:求人票や検索結果からの導線自体に課題がある可能性があります
  • 序盤で滞在時間・スクロールが落ちる:ページを開いた直後の第一印象(見出し・画像・冒頭の文章)で興味を引けていない可能性があります
  • 後半でスクロールが落ちる:募集要項や応募ボタンにたどり着く前に離脱が起きている可能性があります

この記事は、採用ページ全体を対象に「どこで離脱が起きているかを数字で読む」という入門的な視点に絞っています。求人を出しても誰も来ない会社とすぐ埋まる会社の違いでは求人票の見せ方や会社の見え方という「応募を検討する前段階」を扱いましたが、本記事はその手前で終わらせず、実際に候補者がページ上でどこまで読み進めているかを数字で確認する段階に踏み込んでいます。応募フォームに入力し始めたあとの離脱については、求人サイトの応募ボタンを押す直前で離脱される理由で扱っている領域が近いので、フォーム段階での離脱に心当たりがある場合はそちらを参考にしてください。

また、採用活動全体を振り返り、改善をルーティン化する仕組み作りについては採用をやりっぱなしにしている会社が陥るループ——振り返りと改善の回し方で解説しています。今回のような数字の読み方は、そのルーティンの中に組み込む一つの材料として使うと効果が出やすくなります。

まとめ

  • 採用ページのアクセス数だけでは、ページ内のどこで候補者が離れているかはわからない
  • GA4の「ページ別アクセス数」「スクロール到達率」「平均エンゲージメント時間」の3つで、離脱ポイントを数字で把握できる
  • 入口・序盤・後半のどこで数字が落ちているかを見ることで、改善すべき箇所の見立てが変わる
  • 専門的な分析ツールを新規導入しなくても、既存のGA4だけで入門的な把握は可能

まずは自社の採用ページのスクロール到達率を一度確認してみてください。数字が示す離脱ポイントが、感覚とは違う場所にあることもあります。


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