2026年5月25日
求人サイトだけじゃない——地方で「地域メディア」を採用広報に使う方法
転職サイトに掲載しても応募が来ない、という声を地方の経営者からよく聞きます。
原因のひとつは、転職サイトが届く相手の限界にあります。転職サイトを見るのは「今転職を考えている人」だけです。地方では、そもそも積極的に転職活動をしている人の数が都市部より少ない。
でも、「今の職場に不満はあるが転職サイトは見ていない」という人は一定数います。この潜在層にリーチする手段として、地域メディアを活用するという考え方があります。
なぜ地域メディアが地方採用で有効なのか
地域メディア(地元新聞・地域情報誌・コミュニティFMなど)の特徴は、転職意識に関係なく地域住民に情報が届くことです。
地元紙の折込広告を見るのは、求職者だけではありません。主婦・高齢者・現役会社員・農業従事者——転職を全く考えていない人も含めて、地域の生活者が読んでいます。
この「転職を考えていない人」の中に、「いい会社なら動いてもいいかもしれない」という人が一定数います。求人サイトでは届かない層です。
活用できる地域メディア3種
① 地元新聞・フリーペーパーへの折込・記事掲載
地元紙の折込広告は、地域密着の採用に使われてきた古典的な手段です。新鮮味はないかもしれませんが、一定の読者層に確実に届きます。
折込とは別に、地域企業の「人・仕事・取り組み」を紹介するコーナーが設けられた媒体もあります。広告でなく「記事」として取り上げてもらえると、会社の信頼度が上がります。地元紙の編集部に「採用に力を入れていて、会社の取り組みを紹介していただけないか」と問い合わせてみる価値はあります。
② 地域情報誌・暮らし系フリーマガジン
「街のおすすめ店」「地域の働く人紹介」などの特集を組む地域情報誌は、20〜40代の生活者に読まれやすい媒体のひとつとされています。
求人広告としてではなく、「会社のストーリー」や「働く人の紹介」として掲載できると、採用広報の効果が出やすくなります。「うちの会社を取り上げてほしい」と編集部に持ちかけると、紙面の企画に合えば取材につながることがあります。
③ コミュニティFM・地元ラジオ
コミュニティFMは都市部ではマイナーな媒体ですが、地方では根強いリスナーを持つことがあります。地域の中小企業が「人材募集しています」と声をかけると、番組内での告知や特集インタビューに繋がることがあります。
月に数千円〜数万円の予算でCMを流せる場合もあります。
地域メディアを使うときの考え方
地域メディアによる採用効果は、求人サイトのように「掲載したら応募が来る」という即時性があるわけではありません。「会社の名前が地域に広まる」「気になっていた会社だと認識してもらう」という中長期の認知形成として捉える方が正確です。
「いい会社がある」という認知が地域に広まれば、知人からの紹介(リファラル)や自然応募につながることがあります。地方の採用チャネルの全体像については地方中小企業の採用チャネル5選で解説しています。
どの媒体から始めるか
いきなり複数の媒体に手を広げる必要はありません。地元紙に折込を入れるか、地域情報誌に声をかけてみるか、どちらか一方から試してみてください。
「採用のことを地域メディアに相談する」という発想自体が、多くの地方中小企業にはまだ浸透していません。試してみるだけで、競合他社と差がつく可能性があります。
また、採用広報として自社SNSを活用する方法はSNSを使った採用広報の始め方で解説しています。
まとめ
- 転職サイトは積極的転職層にしか届かない。地域メディアは潜在層にリーチできる
- 地元新聞・地域情報誌・コミュニティFMの3種が地方採用広報の主な選択肢
- 即時の応募よりも「会社の認知形成」として中長期視点で活用する
- まずは1媒体に声をかけてみるところから始める
地域メディアの活用は、予算が限られた地方中小企業だからこそ取れる戦略でもあります。都市の大企業には真似できない「地域に根ざした採用広報」という強みに変えることができます。
→ 関連記事: 地方中小企業の採用チャネル5選 / 地域で有名な会社でも応募が来ない理由 / SNSを使った採用広報の始め方