2026年5月27日
地元にいる人を採る——「地域在住者」を掘り起こす採用戦略
地方の中小企業の採用といえば「Uターン・Iターン」が語られることが多いです。確かに都市部から地元に帰ってくる人材は貴重な採用ターゲットです。しかし、地域には「今は求職していないが、良い機会があれば転職を考えるかもしれない」という潜在層が一定数います。
この層は、求人媒体を見ていません。ハローワークにも登録していません。でも採用できる可能性が十分あります。
「潜在層」とはどんな人か
潜在層とは、次のような状況にある地域在住者です。
- 今の仕事に不満はあるが、転職サイトを開くほどではない
- 育児・介護などで一度仕事を離れていて、機会があれば復帰を考えている
- 定年後の再雇用・シニア層で、近場で働ける場があれば考えている
- 副業・パートタイムで関われる機会を探している
この層は「求人票を見て応募する」行動を取りません。しかし「知り合いから話を聞いて興味を持つ」「地域の話題で会社を知って気になる」という経路では動くことがあります。
潜在層に届く3つのアプローチ
① 地域メディアへの露出
地元の新聞・地域情報誌・コミュニティFM・地域のSNSグループなどに、会社の取り組みや職場の様子を発信します(地域メディアを採用広報に使う方法はこちら)。
求人広告として掲載するより、「地域の話題」として取り上げてもらう方が潜在層には届きやすいです。「あの会社、最近地元紙に載ってたな」という認知が積み重なります。
② 職場見学会・体験日を定期開催する
「応募→選考」という高いハードルを設ける前に、「まず見に来てください」という低いハードルを作ります。月1回・土曜日の午前中など、定期的な見学会を設けると「ちょっと気になっている人」が参加しやすくなります。
見学会は採用の場である前に「会社を知ってもらう場」です。その場で採用の話をすることより、職場の雰囲気・社員の様子・仕事のリアルを見せることを優先してください(職場見学を採用につなげる方法はこちら)。
③ 社員の「知人紹介」を仕組み化する
最も近道なのは、今いる社員からの紹介です。社員が「うちの会社、こういう人には合うと思うんだよね」と感じている知人・友人・元同僚は、潜在層そのものです。
「誰か良い人がいたら紹介してほしい」と口頭で頼むだけでは動きません。「紹介した場合どうなるか」「誰に話せばいいか」「どのくらいの負担か」を社員に明確に伝えることで、紹介の動線ができます(リファラル採用の始め方はこちら)。
潜在層採用がうまくいく会社の共通点
潜在層からの採用に成功している地方中小企業を見ると、共通点があります。
会社の情報を「常に」出し続けている
採用募集をしていないときでも、SNSで職場の日常を発信したり、地域のイベントに顔を出したりしています。「ここはいつも存在感がある会社だ」という認知が積み上がっていると、いざ求人を出したときの反応が変わります。
地域との接点を仕事以外でも持っている
地元の清掃活動・商工会のイベント・学校とのつながりなど、採用とは無関係な接点が多い会社ほど、地域での信頼が厚く、紹介が生まれやすいです。
まとめ
- 地域在住の潜在層(今は求職していないが転職を考えうる人)は、求人票では届かない
- 地域メディアへの露出・職場見学会・社員紹介の仕組みが有効なアプローチ
- 採用していない時期にも情報を出し続け、地域との接点を増やすことが長期的な採用力につながる
Uターン・Iターンを待つだけでなく、足元の地域に潜在層がいることを意識すると、採用の選択肢が広がります。
地元での採用について相談したい方はお気軽にご相談ください。
→ 関連記事: 地域メディアを採用広報に使う方法 / Uターン・Iターン採用の進め方 / リファラル採用の始め方